サービス残業・休日不足を解消!不動産業界の働き方改革と成功事例まとめ

不動産業界は、他業種と比較して離職率が高く、長時間労働が常態化しやすい業界として知られてきました。
しかし、働き方改革関連法の施行から約5年が経過した現在では、年間休日120日以上を掲げる求人が全体の約6割を占めるなど、徐々に改善の動きが見られます。
それでもなお、人手不足が深刻な賃貸仲介業においては、労働環境のさらなる改善が喫緊の課題となっています。
本記事では、生産性を高めながら従業員満足度の向上を実現するための具体的な取り組みについて、実際の成功事例を交えながら解説します。
ライター|F.A
大手不動産グループで17年間、現場実務から本社マーケティング、子会社の代表取締役まで経験。2023年に独立しコンサルティング会社を設立。現在は生成AIやデジタル戦略を活かし、不動産や飲食、広告など幅広い業界の成長を支援している。
目次
サービス残業や少ない休日……不動産業界の課題とは?
不動産業界には、長時間労働やアナログな業務環境、休日設定といった構造的な問題が根深く残っています。人手不足が加速する中、以下の3つの課題への対応が急務です。
課題1:全業種でワースト2位のサービス残業
パーソル総合研究所の調査によると、日本の労働実態では、いわゆる「サービス残業」が特定の業種で特に多く見られることが示されています。調査結果では、不動産・物品賃貸業は「サービス残業」の発生が目立つ業種の一つとなっており、全体平均を大きく上回る残業負担が続いていることが明らかになっています。
具体的には、所定時間外の労働時間が多いだけでなく、給与に反映されない時間外労働が常態化している構造的な課題が指摘されています。
顧客の都合に合わせた夜間・休日対応や、移動を伴う内覧、膨大な事務作業といった業務特性が要因ですが、これらを放置し続けたことが、慢性的な人材流出を招く要因となっています。
参考:業種・職種別残業実態マップ──どの業種が、どのくらい働いているのか – パーソル総合研究所
課題2:IT化の遅れによる生産性の停滞
総務省の令和6年「通信利用動向調査」によると、不動産業界のテレワーク導入率は約70%となっており、これは情報通信業や金融・保険業と比べると低い水準にとどまっています。実際、情報通信業の導入率は90%台前半、金融・保険業でも80%台を記録する一方で、不動産業界は約7割程度に留まっていることが明らかになっています。
こうした傾向は、業界全体のデジタル化や柔軟な働き方の浸透が他業種よりやや遅れている実態を示しています。
不動産業務では、紙の契約書やFAXによるやり取り、手入力によるポータルサイトへの物件登録など、アナログな業務フローが残っています。こうした非効率な作業が従業員の負担を増やし、対面接客などの本来優先すべき業務の質を低下させています。
課題3:休日の少なさが敬遠材料に
不動産業界では長らく「水曜定休」の週休1日制が一般的でした。しかし、ワークライフバランスを重視する現代の求職者にとって、この休日の少なさは大きな敬遠材料となっています。
厚生労働省の令和2年雇用動向調査によれば、不動産業界の離職率は14.8%です。これは全業種平均を上回っており、情報通信業(9.2%)と比較すると約1.6倍の高さです。休日の少なさが、定着率の低さに直結している現状があります。
不動産業界における働き方改革の重要性とは?採用難と法規制への対応策
採用市場の動向と法規制の強化により、労働環境の改善は企業の存続に直結する課題となっています。現状のままでいることは、人材確保とコンプライアンスの両面で大きなリスクを伴います。
不動産業界の採用市場で起きている変化
近年の求人市場では、不動産業界においても「年間休日120日以上」を掲げる企業が過半数を占めるようになっています。これは週休2日制に祝日分を合わせた標準的な水準ですが、採用力を高めるために、さらに多くの休日を設定する企業も増えています。
求職者が企業を選ぶ際、「年間休日」「残業時間」「テレワークの可否」は非常に重視される項目です。これらの条件が整っていない企業は、採用の検討対象から外されるリスクが高まっており、時代の変化に合わせた環境整備が不可欠となっています。
働き方改革関連法と不動産業界に求められる法令遵守
働き方改革関連法の施行により、時間外労働には「原則として月45時間、年360時間」という上限が設けられました。これに違反した場合、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金といった刑事罰の対象となります。
罰則への対応だけでなく、従業員のワークライフバランスを確保することは企業の責務です。長時間労働による健康被害が発生すれば、企業の社会的信用は低下し、さらなる採用難を招く原因となります。
【働き方改革実践1】IT化・DX推進で業務効率アップ
業務のデジタル化は、情報の整理や移動に伴う時間のロスを削減し、生産性を高めるために不可欠です。具体的なツールの導入により、限られた時間で成果を出す体制を整えることができます。
不動産管理システムによる物件・顧客情報の一元管理
物件情報や顧客データ、契約書類などを紙やExcelで個別に管理すると、検索や共有に多くの時間を要します。クラウド型の管理システムを導入することで、最新の情報をリアルタイムで共有することが可能になります。
例えば、外出先からスマートフォンで物件情報を確認できれば、顧客からの問い合わせにその場で回答できます。「誰が最新データを持っているか分からない」といった混乱を避け、チーム全体で効率的に動けるようになります。
導入のポイント
- 大手ポータルサイトへの一括出稿機能があるものを選ぶ
- モバイル対応を優先し、外出先での利便性を確保する
- 自社の業務フローに合わせて調整可能なシステムを検討する
自動追客システムで営業効率・成約率アップ
顧客の条件を登録するだけで新着物件を自動送信するシステムは、営業の生産性を高めます。手作業では対応しきれなかった顧客に対しても継続的なアプローチが可能になり、成約機会の損失を防げます。
ある仲介会社では、導入により追客業務を週5時間削減し、その分を対面接客に充てた結果、成約数が前年比15%向上したという事例もあります。
電子契約とIT重説を活用して事務負担を軽減
2021年の法改正により、不動産取引の電子契約が全面的に解禁されました。オンラインでの重要事項説明(IT重説)と併せて活用することで、遠方の顧客でも来店不要で契約を完結できます。
移動時間の削減に加え、書類の印刷・製本・郵送の手間や印紙代も不要になります。デジタルデータとして保管するため、管理スペースも削減でき、必要な時にすぐ検索できる点も大きなメリットです。
電子契約導入の流れ
- 費用と使いやすさを基準にサービスを比較する
- 社内の運用ルールを決める
- 顧客向けの説明資料を作成する
- 少数の案件でテスト運用を行う
- 課題を改善し、本格的に運用を開始する
VR内見を活用して内見業務の効率アップ
VR技術を使えば、顧客は自宅から物件を360度確認できます。特に遠方の入居希望者や忙しい顧客にとって、内覧の手間を省ける利便性の高いサービスです。
営業担当者にとっても、事前にVRで候補を絞り込んでもらうことで、実際の内覧件数を抑えられます。ある企業では、成約までの平均内覧件数が5件から3件に減り、移動時間を週に約10時間削減できた事例もあります。
【働き方改革実践2】週休2日制への移行とワークライフバランスの実現
採用率を高めるには、休日の質と量の改善が欠かせません。業務の効率化と並行して段階的に休日を増やすことで、円滑に体制を移行しましょう。
「完全週休2日制」と「週休2日制」の違いを理解する
求人票における休日の表記には大きな違いがあり、求職者の判断に影響を与えます。
- 完全週休2日制:毎週必ず2日の休みがある(年間休日104日以上)。
- 週休2日制:月に1回以上、週2日の休みがある週がある(年間休日は企業により異なる)。
現在の採用市場では、標準的な「完全週休2日制」に加え、祝日分も休める「年間休日120日」が人材確保の目安となっています。
段階的な移行で無理のない改革を
体制を一気に変えるのが難しい場合は、数か月単位で段階的に休日を増やす手法が有効です。
- 第1段階:月1回、特定の曜日を連休にする(例:第2水・木)。
- 第2段階:月2回、隔週で週休2日制を導入する。
- 第3段階:毎週の定休日に加え、隔週で別の曜日も休日に設定する。
- 最終段階:完全週休2日制へ移行。
この手順を踏むことで、既存顧客への周知や業務の調整を、現場に負担をかけすぎず進めることができます。
業務効率化で1日15分の時短を積み重ねる
週休2日制を定着させるには、日々の業務効率化が不可欠です。大幅な改革だけでなく、1日15分の短縮を積み重ねることで、年間約78時間の時間を生み出すことができます。
1日15分を生み出す具体策
- 朝礼の時間を半分に抑え、要点共有に絞る。
- 日報のテンプレート化により入力時間を短縮する。
- 一括管理ツールを利用し、ポータルサイトへの登録作業を自動化する。
- 社内チャットツールを活用し移動中などの隙間時間に報告・相談を済ませる。
- 電子契約を導入し、印刷や製本などの事務作業の手間を省く。
【働き方改革実践3】テレワーク・柔軟な働き方の導入
対面での対応が重視される不動産業界ですが、業務を切り分けることでテレワークの導入は十分に可能です。場所にとらわれない働き方を取り入れることで、移動時間の削減や業務効率の向上が見込めます。
対面での対応が重視される不動産業界ですが、業務を切り分けることでテレワークの導入は十分に可能です。場所にとらわれない働き方を取り入れることで、移動時間の削減や業務効率の向上が見込めます。
テレワーク可能な業務の切り分け
「接客があるから不可能」と決めつけるのではなく、事務作業を中心にテレワークへ移行させる視点が重要です。実際、賃貸仲介でも事務作業は自宅、接客は出社といった「ハイブリッド勤務」を取り入れる企業が増えています。
テレワークで対応できる業務例
- 顧客からの問い合わせ対応(メール・チャット・電話転送)
- 物件情報の入力および更新作業
- 契約書類の作成
- 各種ポータルサイトへの広告出稿
- 顧客への追客フォロー
- オンライン商談・IT重説
- 社内会議や研修への参加
直行直帰で移動コスト削減
内覧や立ち会いの後に事務作業のためだけに帰社する慣習を見直すことで、大幅な時短が可能です。モバイル端末から報告ができるシステムを整えれば、現地からの直行直帰がスムーズに行えます。
ある仲介会社では、直行直帰の導入により営業担当者の移動時間を1日平均45分削減しました。この時間を活用して顧客対応の質を高めた結果、離職率が前年比で30%減少した事例もあります。
直行直帰を定着させるためのポイント
- GPS打刻が可能な勤怠管理システムで勤務時間を正確に把握する。
- 外出先から日報入力や物件情報の確認ができるツールを導入し、モバイル環境を整備する。
- 情報共有をクラウド化し、顧客情報にどこからでもアクセスできる体制を整える。
- チャットツールを活用し、離れていても迅速に連携できる体制を築く。
【働き方改革実践4】従業員のモチベーション向上施策
働き方改革を成功させるためには、制度や仕組みを整えるだけでなく、従業員一人ひとりのモチベーションを高める取り組みが欠かせません。
業務効率や休日数が改善されても、「評価されていない」「成長を感じられない」といった不満があれば、離職につながるリスクは残ります。
ここでは、不動産業界で実践しやすく、効果が出やすいモチベーション向上施策を紹介します。
評価制度を明確化し「頑張りが報われる仕組み」をつくる
従業員のモチベーションを下げる要因の一つが、評価基準の不透明さです。
「何をどれだけ頑張れば評価されるのか」が分からない状態では、主体的な行動は生まれにくくなります。
売上や成約数だけでなく、
- 追客対応の質
- 顧客満足度
- チームへの貢献度
- 業務改善への取り組み
といったプロセス評価を組み合わせた制度を導入することで、努力が正当に評価される環境を整えましょう。
キャリアパスを示し、将来像を描ける環境を整える
「この会社で働き続けた先に、どんな成長があるのか」が見えないと、従業員の意欲は低下しやすくなります。役職・スキル・年収のモデルケースを提示し、キャリアパスを可視化することが重要です。
例えば、
- 営業職 → チームリーダー → 店長
- 仲介担当 → 管理業務・教育担当
- 営業職 → 不動産投資・法人営業部門
など、複数の選択肢を示すことで、長期的な定着につながります。
インセンティブ制度で成果を正当に還元する
不動産業界では、成果と報酬が連動するインセンティブ制度が高い効果を発揮します。ただし、過度な成果主義は長時間労働を助長する恐れがあるため、設計には注意が必要です。
おすすめなのは、
- 成約数・売上に応じたインセンティブ
- チーム目標達成による報奨
- 繁忙期・閑散期を考慮した調整型制度
など、無理なく成果を出せる仕組みです。
1on1ミーティングで心理的安全性を高める
定期的な1on1ミーティングは、従業員の不満や悩みを早期に把握し、離職を防ぐ有効な手段です。評価面談とは別に、業務の悩み・キャリアの希望・働き方の相談を行う場を設けましょう。
「話を聞いてもらえている」という実感は、従業員のエンゲージメント向上に直結します。
スキルアップ支援で成長実感を提供する
人は「成長している」と感じられる環境で、モチベーションを維持しやすくなります。不動産業界では、以下のような支援が効果的です。
- 宅地建物取引士など資格取得支援
- 営業・接客スキル研修
- ITツール・DX研修
- 外部セミナー・オンライン講座の受講補助
スキルアップへの投資は、生産性向上と人材定着の両立につながります。
「働きやすさ」と「やりがい」の両立が定着率を高める
働き方改革の最終目的は、単なる労働時間削減ではありません。働きやすさとやりがいを両立させることが、採用力・定着率・業績の向上につながります。
IT化や制度改革と併せて、「人を大切にする姿勢」を明確に打ち出すことが、これからの不動産会社に求められる重要な経営戦略です。
不動産業務のデジタル化を進めたい!活用できる補助金制度
不動産業務のデジタル化や効率化には一定のコストがかかりますが、国の補助金を活用することで初期投資の負担を軽減できます。自社の規模や目的に合わせて、適切な制度を選択しましょう。
IT導入補助金によるシステム導入支援
IT導入補助金は、自社の課題解決に役立つITツールを導入する際、その費用の一部を国が補助する制度です。不動産管理システムや電子契約ツールの導入も対象となります。
補助対象は「IT導入支援事業者」として登録されている業者のシステムに限られるため、事前の確認が必要です。補助率は通常1/2以内、補助額は最大450万円程度ですが、申請する枠組みや年度によって条件が変動します。
小規模事業者持続化補助金
従業員数が20人以下の小規模な不動産業者が対象となる補助金です。業務効率化や販路開拓、生産性向上に取り組むための費用(システム購入費や広報費など)が支援されます。
補助上限額は通常50万円〜200万円程度(枠によって異なる)で、商工会議所などの助言を受けて作成した経営計画書を提出し、審査を通過することで受給できます。
参考: 小規模事業者持続化補助金【一般型】 持続化補助金とは
補助金活用のポイント
準備は早めに
公募期間が限られており書類作成にも時間を要するため、余裕を持って準備を開始する。
資金繰りを確認
補助金は「後払い」が原則のため、支払時には一時的に自己資金が必要になる。
専門機関の活用
商工会議所や認定経営革新等支援機関のサポートを受けることで、採択される可能性を高められる。
併用を検討する
各補助金の規定により、異なる目的であれば複数の制度を併用できる場合がある。
【成功企業に学ぶ】不動産業界における、働き方改革の実践事例
働き方改革を推進し、成果を上げている企業の事例を紹介します。DXの推進や休日の拡充が、業務効率化だけでなく、収益向上や人材定着にどのように寄与したかを確認しましょう。
事例1:大手不動産会社の全社的DX推進
三井不動産では、2017年から全社的なDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進しています。2023年には推進体制をさらに強化し、基幹システムの刷新などを通じて、2018年からの5年間で約27.9万時間の業務削減を実現しました。
クラウド化率を96%まで高めたことで、既存業務の効率化だけでなく、物流やホテル事業における新たなサービス創出にもつながっています。働き方の改善を、企業価値を高めるための投資と捉えた事例です。
事例2:中堅企業のアプリ導入による業務効率化
ある賃貸管理会社では、オーナーおよび入居者専用のアプリを導入しました。これにより、従来電話や書面で行っていたコミュニケーションがデジタル化され、確定申告時期に多かった書類の再発行依頼などの事務負担が大幅に減少しました。
チャット機能を活用して情報の属人化を防いだことで、管理戸数が増加しても円滑な対応が可能となり、入居率99.6%という高い水準を維持しています。
事例3:週休2日制移行による離職率低下
ある地方の不動産仲介会社では、段階的に完全週休2日制へ移行しました。同時にITツールを導入して日々の業務を平均20分短縮するなど、限られた時間で成果を出す体制を整えました。
この取り組みの結果、年間離職率が18%から12%へ低下したほか、採用広告への応募数が前年比で40%増加しました。休日を増やし労働時間を短縮したことが、優秀な人材の確保と定着に直結しています。
不動産業界で働き方改革を成功させる5つの鉄則
労働環境の改善を持続させるためには、制度を整えるだけでなく、組織としての意識改革や現状分析が不可欠です。改革を円滑に進めるための具体的なポイントを整理します。
鉄則1:経営層による明確な方針提示
働き方改革の成功には、経営層の主体的な関与が欠かせません。「残業削減」といった抽象的な目標にとどまらず、具体的な数値目標と期限を設定し、進捗を管理する体制を構築する必要があります。
また、経営層や管理職が率先して定時退社やテレワークを実践することで、部下が気兼ねなく制度を利用できる職場環境を整えることも重要です。
鉄則2:段階的な導入と運用の見直し
一時に全ての制度を導入するのではなく、優先順位をつけて段階的に進めることが現実的です。小さな改善から着手して成功事例を作ることで、従業員の理解と協力を得やすくなります。
運用開始後に問題が生じた場合は、現場の状況に合わせて柔軟にルールを修正する姿勢が、制度の形骸化を防ぐことにつながります。
鉄則3:業務内容の棚卸しと整理
改革に着手する前に、現在の業務内容を詳細に把握し、非効率な作業を特定する必要があります。
業務棚卸しのチェックポイント:
- 目的が不明確な慣習的な業務がないか。
- ITツールの導入で時間を短縮できないか。
- 特定の人しかできない「属人化」した業務を誰でも行えるようにできないか。
- 事務作業などの周辺業務を外部委託できないか。
鉄則4:現場従業員の意見反映
経営陣だけで進めるのではなく、現場の声を吸い上げる仕組みを作ることが重要です。実務に携わる従業員は、具体的な無駄や改善点に気づきやすいためです。
アンケートや面談を通じて現場の意見を収集するほか、改善提案に対して評価や報酬を与えるなどの工夫により、組織全体で取り組む意識を高めることができます。
鉄則5:成果の数値化と共有
取り組みによる変化を数値で可視化し、社内で共有することで、活動の継続性を高められます。
見える化すべき指標:
- 月間平均残業時間の推移
- 有給休暇の取得率
- 離職率および定着率
- 従業員満足度の調査結果
- 業務効率化によって削減できた時間
- 採用への応募件数の変化
まとめ:働き方改革は「コスト」ではなく「投資」
不動産賃貸仲介業界において、労働環境の改善は企業の存続に直結する課題です。人手不足が進む中、適切な就業環境を整えられない企業は、採用が困難になるだけでなく、既存社員の定着も難しくなります。
本記事で紹介したIT化、週休2日制の導入、テレワークの活用といった施策は、一つひとつ着実に進めることで着実な成果につながります。これらを「負担」と捉えるのではなく、組織の生産性と価値を高めるための「投資」と捉える視点が重要です。
従業員が効率的に働ける環境は、結果として顧客対応の質を向上させ、収益にも好影響を及ぼします。まずは「1日15分の事務作業削減」や「月1回の連休設定」など、可能な範囲から着手することが、組織全体の改善に向けた確かな一歩となります。
【本記事のポイント】
- 離職率14.8%、残業月34.7時間という業界の平均値と自社を比較する。
- システムの導入により、事務作業や移動時間を物理的に削減する。
- 採用力を高めるため、段階的に完全週休2日制への移行を目指す。
- IT導入補助金などの制度を活用し、導入コストを軽減する。
- 働き方改革を、優秀な人材を確保し収益を上げるための投資と位置づける。